多くの看護師の方が、転職活動の際に自己PRの書き方に悩みます。
自己PRは応募先に自分をアピールする重要な要素です。この記事では看護師向けに基本的な自己PRの書き方を解説しています。記事を読めば、より効果的な自己PRの書き方がわかります。
具体的な例文や面接対策も紹介しているので、転職を考えている看護師の方はぜひ参考にしてください。
自己PRの基本構成
自己PRは以下の順番で書きます。基本構成を意識すれば、読みやすく印象に残りやすい自己PRを作成できます。
- 強みやアピールポイント
- 具体的なエピソード
- 将来の展望
強みやアピールポイント
最初に、結論である自分の強みやアピールポイントを述べます。強みやアピールポイントは、採用担当者に最も伝えたい部分です。簡潔明瞭に述べることで採用担当者にインパクトを与えやすくなります。
具体的なエピソード
自分の強みを述べたあとに、具体的なエピソードを用いて説明します。強みを裏付けると信憑性が増すためです。過去の職場での実績や成功体験などを挙げると効果的です。
将来の展望
最後に将来の展望を述べます。将来の目標や、新しい職場でどのように貢献できるかを具体的に示し、前向きな姿勢と意欲をアピールします。
【看護師向け】自己PRのポイント
自己PRの書き方は、以下のとおりです。
- 自己分析で強みを洗い出す
- 強みを実証できるエピソードを選ぶ
- 応募先のニーズに合わせてまとめる
自己分析で強みを洗い出す
自己分析は自己PRの基礎です。自分の強みを洗い出すために、過去の経験を振り返りましょう。情報を整理するために、スキルや知識のリストを作成することがおすすめです。チームリーダーの経験や高度な看護技術など、自分の強みを具体的にリストアップします。
職務経験のほか、勉強や研修の内容、看護研究の成果なども書き出してください。過去の経験を整理することで、自分の強みが実際の業務でどのように役立つかを具体的に説明できます。
周囲の人からフィードバックを受けることもおすすめです。第三者の視点で、自分では気付けなかった強みや改善点がわかります。自己評価と他者評価を比較・分析することで、より正確な自己分析が可能です。
自分の興味や価値観を明確にしてキャリア目標と照らし合わせることで、今後どのような方向に進むべきか見えてきます。
強みを実証できるエピソードを選ぶ
強みを実証するためには、裏付けとなる具体的なエピソードが必要です。エピソードを入れることで、より説得力のある自己PRになります。
以下のようなエピソードを取り入れてみましょう。
- コミュニケーション能力を発揮した
- 緊急時に冷静に対応した
- チームワークを発揮した
- 教育や研修を受けスキルアップした
- 継続的に患者をケアした
- 新しい看護技術を取り入れた
応募先の求めるスキルや能力に合ったエピソードを選ぶことで、採用担当者に強い印象を与えられます。
応募先のニーズに合わせてまとめる
自己PRをまとめる際は、応募先の病院や施設のニーズを把握することが大切です。求人情報や病院のWebサイトなどを参考にしながら、応募先が求める人物像に自分の強みがどう役立つかを考えます。自分の強みを具体的なエピソードで示し、応募先のニーズに合わせてまとめることで、説得力のある自己PRを作成できます。
チームワークを重視する病院では、チームで協力した経験を強調しましょう。応募先の理念が「患者中心のケア」を掲げている場合、患者の立場に立って行動したエピソードを紹介すると効果的です。患者とのコミュニケーションを大切にして信頼関係を築いた経験を述べることもおすすめです。
採用担当者が重視する業務経験や実績も具体的に述べると説得力が増します。リーダーシップ経験が重視される場合は、チームをまとめ上げてより良い看護へつなげた経験を紹介します。
応募先の課題解決に貢献できる点があれば、積極的にアピールしましょう。応募先が看護体制の改善に取り組んでいる場合は、自分の経験が課題の解決に活かせることをアピールすると効果的です。応募先のニーズに合わせて自己PRをまとめることで、採用担当者に強い印象を与えられます。
【看護師向け】自己PRの具体的な書き方
看護師の自己PRの具体的な書き方は、以下を参考にしてください。
- 【例文】強み・長所をアピールする
- 【例文】経験・スキルをアピールする
- 新卒・ブランクがある場合は学びをアピールする
- 転職回数が多い場合は経験をアピールする
【例文】強み・長所をアピールする
強み・長所をアピールする例文は、以下のとおりです。
「私の強みは、コミュニケーション能力が高いことです。患者一人ひとりの気持ちを理解し、それぞれのニーズに応じた看護を提供できます。過去に高齢の患者が入院された際、毎日のケアの際に特に丁寧なコミュニケーションを心がけ、不安の軽減に努めました。患者は安心して治療に専念でき、早期退院を達成しました。」
「チームワークを重視し、他職種と円滑にコミュニケーションを取ることが得意です。医師や薬剤師、理学療法士などと協力し、患者に最適なケアを提供できます」
「急変対応の経験が豊富で、緊急時でも冷静に対処し、チーム全体をリードすることが多々あります」
「継続的に勉強会や研修に参加し、最新の医療知識や看護について学んでいます。患者教育にも力を入れており、前職でも多くの患者の健康管理をサポートしてきました。新しい治療法や薬に関する情報を常にアップデートして、患者に正確な情報を提供することを心がけています」
まとめの言葉は、以下を参考にしてください。
「前職での経験から、私は患者や家族との信頼関係を築きながら、チームとして最高の医療を提供できると確信しています。これからも強みを活かして患者に寄り添ったケアを大切にしたいと考えています」
【例文】経験・スキルをアピールする
経験・スキルをアピールする例文は、以下のとおりです。
「私の強みは、緊急時の対応力とさまざまな医療機器を使用できることです。救急外来の勤務経験があり、迅速かつ的確に対応することで多くの患者の命を救うことができました。心肺蘇生やショック時の対応なども迅速に行えます。これまでの経験から得た知識とスキルは、他の診療科でも役立ちます」
「チームリーダーとしてのマネジメント経験があり、スタッフ間の連携を強化し、円滑な診療体制を整えることが可能です。自分の経験と能力を生かし、貴院での業務に貢献できると確信しています」
新卒・ブランクがある場合は学びをアピールする
新卒やブランクがある場合でも、効果的にアピールできる方法があります。新卒の看護師の場合は、看護学校で学んだ専門知識を強調し、自信を持って自己PRしましょう。看護実習での経験を具体的に説明すると、実践的なスキルを持っていることを証明できます。
ブランクがある場合、ブランク期間中に何をしていたかを述べます。医療セミナーや研修に参加して最新の医療知識をアップデートしたことなどをアピールしましょう。家族の介護を通じて得た経験も強みとして挙げられます。新しい環境に順応しやすいことやチームワークを大切にする姿勢を示すことが重要です。
即戦力として期待できることが採用担当者に伝わります。
転職回数が多い場合は経験をアピールする
転職回数が多い場合は、さまざまな経験を強みとしてアピールしましょう。複数の職場での経験は、豊富なスキルと知識を持っていることを示せます。
転職回数の多さをプラスの印象に変えるため、以下のポイントを押さえて書いてください。
- さまざまな経験
- 習得したスキルや知識
- 前向きな転職理由
- どのように成長してきたか
- 応募先の職場で貢献できること
ポイントを押さえて述べることで、転職回数の多さを自分のキャリアの一部として効果的にアピールできます。応募先に安心感を与えるため、適応能力の高さや広い視野を持っていることなどもアピールするのがおすすめです。
【看護師向け】自己PRを書くときの注意点
自己PRを書く際は、いくつか注意点があります。以下の点を押さえて効果的な自己PRを書き上げましょう。
- 志望動機と混同しない
- 否定的な内容を書かない
- アピールポイントを1つに絞る
志望動機と混同しない
自己PRと志望動機は混同しないよう気を付けましょう。自己PRは強みやスキルをアピールし、志望動機は応募先を選んだ理由を説明します。同じ内容を繰り返さないよう注意してください。
自己PRは応募者自身に焦点を当て、スキルや経験を具体的なエピソードを交えて示します。コミュニケーション能力の高さをアピールしたい場合、実際に患者から感謝されたエピソードを具体的に挙げると効果的です。
一方、志望動機は応募先の魅力や貢献について述べます。応募先の看護方針に共感し、自分がどのように役立てるかを具体的に説明します。
» 看護師向けの志望動機の書き方とポイントを解説!
否定的な内容を書かない
自己PRを書くときは、否定的な内容を避けましょう。否定的な内容はマイナスの印象を与えます。
自分の過去の失敗や弱点に関する話題は避け、成功体験や強みを中心に述べるようにします。以前の職場での失敗について書くのではなく、経験から学んだことや成長した点を強調してください。書き方を工夫することで前向きな成長や学びを強調でき、採用担当者に対して良い印象を与えられます。
アピールポイントを1つに絞る
自己PRはアピールポイントを1つに絞ることが重要です。採用担当者に一貫した印象を与え、記憶に残りやすくするためです。さまざまなスキルや経験を持つ看護師が強みをすべて列挙すると、重要なポイントが曖昧になります。
簡潔でわかりやすい文章は読み手に強い印象を与えるため、アピールポイントは1つに絞りましょう。
【看護師向け】面接で自己PRする際のポイント
看護師が面接で自己PRする際のポイントは、以下のとおりです。
- 履歴書の内容に沿って話す
- 結論から簡潔に話す
- 明るくハキハキと答える
- 転職希望先に合わせてアピールする
履歴書の内容に沿って話す
面接では履歴書の内容に沿って話すことが重要です。採用担当者は履歴書を見ながら質問をするためです。履歴書の内容を熟知していることをアピールすることにもつながります。履歴書と異なる内容を話すと信頼性が損なわれてしまうため注意してください。
履歴書に記載した経験やスキルを具体的な事例とともに説明すると効果的です。採用担当者にスキルや経験の証明を示すことができ、信頼感が増します。履歴書に書ききれなかった内容を補足することも大切です。採用担当者に対して自分の経験やスキルをより深く理解してもらえます。
履歴書の内容を活用して面接を受ければ、自分の強みを最大限に伝えられます。
» 看護師向けの履歴書の書き方とポイントを解説!
結論から簡潔に話す
面接も履歴書の書き方と同様に、結論から簡潔に話すことを意識しましょう。面接時間は限られており、効率的に自分をアピールする必要があります。結論から話すと要点が伝わりやすくなり、採用担当者に強い印象を与えます。以下のように話しましょう。
「私は患者さんへの対応力が強みです。これまで多くの患者さんと良好な関係を築いてきました」
自己PRの場面では「私は〇〇の経験を持っています」と最初に伝え、具体的なエピソードや成果を補足します。結論を先に述べることで話がわかりやすくなり、相手の記憶にも残りやすくなります。
明るくハキハキと答える
面接では明るくハキハキと答えましょう。相手の目を見て笑顔で答えることを心がけてください。明るくハキハキとした態度は、コミュニケーション能力の高さを表します。看護師は患者や同僚とのコミュニケーションが重要なため、好印象を与えることがポイントです。
明るくハキハキと答えることは自分の気持ちが相手に伝わりやすくなるだけでなく、自信を持っている印象を与えます。アイコンタクトをしながら話せば相手に対して敬意を示せるとともに、相手も親しみやすく感じます。面接の場では受け答えの態度も成功の鍵です。
転職希望先に合わせてアピールする
面接では転職希望先に合ったアピールが重要です。医療機関や施設によって求められるスキルや特性が異なるからです。
規模の大きな病院でも以下のような違いがあります。
- 急性期病院:緊急対応力やストレス耐性
- 慢性期施設:長期的な患者ケアやチームワーク
転職希望先に合ったアピールをするために、希望先の病院やクリニックの特徴をリサーチしましょう。医療機関の方針を理解した上で自身の経験やスキルがどのように役立つかを話すと効果的です。チームワークを重視する病院であれば、過去にチームで取り組んだプロジェクトや成功事例を具体的に説明すると説得力が増します。
学習意欲や自己成長の意欲をアピールすることも重要です。今後も自分が成長し続け、医療機関に貢献できることを示すためです。過去の具体的な成功事例や成果も交えて話すと、信頼感が高まります。
転職希望先の特徴やニーズに合わせて具体的なエピソードや実績を交えながら自分の強みをアピールしましょう。採用担当者に「この人はうちの病院で活躍できそうだ」と思わせれば、採用に一歩近づけます。
まとめ
自己PR文は基本構成に沿って作成することが大切です。強みやアピールポイント、具体的なエピソード、将来の展望の3つで構成します。強みを洗い出すために、まずはスキルや知識をリストアップしましょう。周囲の人からのフィードバックを受けるのも効果的です。
文頭で自分の強みやアピールポイントを明確にし、次に具体的なエピソードで裏付けます。最後に将来の展望を示して文章をまとめることで、採用担当者に強い印象を残せます。
アピールポイントを1つに絞ると、より効果的です。転職活動において自己PRは非常に重要です。基本構成に沿って、応募先のニーズに合わせた自己PRをまとめましょう。
» 看護師の転職事情と進め方、転職方法を解説!