- キャリアアップしたいけれど、専門看護師と認定看護師の違いってなんだろう?
- どちらの資格が自分に向いているかわからない
- 専門看護師と認定看護師のメリット・デメリットが知りたい
キャリアアップを考え始めたとき、多くの看護師が一度は気になる「専門看護師」と「認定看護師」。
にこ名前は聞いたことがあるけれど、何がどう違うの?どちらを目指すべき?と悩んでいませんか?
資格の難易度、求められる役割、働き方、将来のキャリア…。違いをきちんと理解しないまま選んでしまうと、「思っていたのと違った」と後悔することも少なくありません。
この記事では、専門看護師と認定看護師の違いをわかりやすく整理し、それぞれのメリット・デメリット、向いている人の特徴まで詳しく解説します。
あなたの理想の働き方に合ったキャリアアップの道を見つけるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
» 看護師の転職事情と進め方、転職方法を解説!
- 専門看護師と認定看護師の「役割・難易度・キャリアの違い」
- 自分の働き方・将来像にどちらが合っているか
- 資格取得後のメリット・デメリットと現実的なキャリア像
専門看護師と認定看護師の主な違い

専門看護師はより高度な専門知識と実践力が求められ、認定看護師は特定の看護分野でのスペシャリストとして活躍します。
両者の違いを理解することで、自分のキャリアプランに合った選択が可能です。
専門看護師の定義
専門看護師は、高度な実践能力と特定の分野の専門知識を持つ看護師です。日本看護協会が認定する資格であり、実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究の6つの重要な役割があります。
引用:公益社団法人日本看護協会 | Japanese Nursing Association
専門看護師(CNS)は、日本看護協会が認定する高度実践看護師で、専門分野は全部で14分野あります。
以下が、現在認定されているすべての専門分野です。
- がん看護
- 精神看護
- 地域看護
- 老人看護(老年看護)
- 小児看護
- 母性看護
- 慢性疾患看護
- 急性・重症患者看護
- 感染症看護
- 家族支援
- 在宅看護
- 遺伝看護
- 災害看護
- 放射線看護
- 修士課程修了している
- 5年以上の実務経験がある
- 認定審査に合格する
専門看護師は、チーム医療のリーダーとして活躍し、看護の質向上に貢献します。複雑で困難な看護問題を持つ個人や家族、集団に対して、水準の高い看護を提供することが特徴です。
» 専門看護師を目指すための具体的なステップを解説!
認定看護師の定義
認定看護師は、日本看護協会が認定する資格です。
認定看護師は、特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を用い、実践・指導・相談を行うスペシャリストです。
日本看護協会が認定している分野は、全部で21分野あります。
以下が、現在の認定看護師の全分野です。
- 救急看護
- 集中ケア
- 皮膚・排せつケア
- 感染管理
- 緩和ケア
- がん性疼痛看護
- がん化学療法看護
- がん放射線療法看護
- 乳がん看護
- 摂食・嚥下障害看護
- 小児救急看護
- 新生児集中ケア
- 透析看護
- 手術看護
- 認知症看護
- 脳卒中看護
- 慢性呼吸器疾患看護
- 慢性心不全看護
- 在宅ケア
- 不妊症看護
- 糖尿病看護
認定看護師になる条件は、以下のとおりです。
- 日本の看護師免許を有する
- 5年以上の実務経験がある、6か月以上の実務研修を受ける
- 筆記試験に合格する
患者さんや家族への直接的なケアが中心ですが、チーム医療のキーパーソンとしても活躍します。資格の有効期間は5年間で、5年ごとに更新が必要です。
» 認定看護師になるには?基本の流れと活用すべき支援制度
専門看護師と認定看護師の具体的な違い
専門看護師と認定看護師には、以下の違いがあります。自分の目標や得意分野に合わせて選ぶことが大切です。
- 特定分野
- ケアをする対象
- 専門看護師に求められる役割
- 認定看護師に求められる役割
- 資格取得の難易度
特定分野

専門看護師と認定看護師では、特定分野の数と内容に違いがあります。専門看護師は14分野、認定看護師は21分野あるのが特徴です。以下の違いがあります。
- 専門看護師の特定分野
- がん看護、精神看護、地域看護、老年看護、小児看護など、幅広い知識と高度な判断力が求められます。
- 認定看護師の特定分野
- 救急看護、皮膚・排せつケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護など、特定の症状や状況に対する専門的なケアが中心です。
専門看護師と認定看護師では、特定分野の範囲や深さが異なります。
より広範囲で高度な知識が必要
より具体的な症状や状況に特化した分野が多いのが特徴
にこ両者の違いを理解することで、それぞれの役割や専門性を把握できます。
ケアをする対象

専門看護師と認定看護師がケアする対象は、範囲と焦点に違いがあります。専門看護師は広範囲の対象をケアしますが、認定看護師の対象はより具体的です。専門看護師は、患者さんや家族、医療チーム、地域社会など、幅広い対象をケアします。
がん専門看護師は、患者さんや家族へのケア、医療スタッフとの連携、地域医療機関との調整など、多面的な役割を担います。広範囲をカバーし、患者さんや家族、看護師のケアもするため、役割も幅広く、資格取得の難易度が高めです。
認定看護師は、特定の分野や症状に関連する患者さんが主な対象になります。専門看護師と認定看護師では、ケアする対象の範囲と焦点に違いがあるのが特徴です。
専門看護師に求められる役割
にこ専門看護師には、高度な実践能力とリーダーシップが求められます。
特定の専門分野において、複雑な健康問題に対し、包括的なケアの提供が期待されています。
専門看護師の主な役割は、以下のとおりです。
- 個人、家族および集団に対して卓越した看護を実践する
- 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーション(※)を行う
- 保健医療福祉にたずさわる人のコーディネーションを行う
- 倫理的な問題や葛藤の解決を図る
- ケア向上のための教育的機能を果たす
- 専門知識と技術の向上を目指して、実践の場で研究を行う
専門看護師は、組織全体の看護の質向上にも貢献しています。根拠にもとづいた実践を推進し、医療政策や制度の改善にも関与しています。高度な知識と技術で、患者さんや家族、医療チーム全体をサポートする重要な存在です。
※ コンサルテーションとは、専門家やアドバイザーが、特定の問題や課題に対して助言や指導を行うことです。
認定看護師に求められる役割
にこ認定看護師は、特定の看護分野において水準の高い看護を行います。
患者さんへのケアだけでなく、看護職への指導や相談対応も役割の一つです。看護ケアの質向上に貢献することが可能です。認定看護師は、専門分野における実践能力を生かし、直接的に患者さんのケアを行います。
認定看護師は、医療現場での看護の質の向上に重要な役割を果たしています。
資格取得の難易度
専門看護師と認定看護師では、資格取得までのハードルに大きな違いがあります。結論から言うと、専門看護師の方が取得難易度は高い資格です。
資格取得の難易度比較表
| 比較項目 | 専門看護師 | 認定看護師 |
|---|---|---|
| 資格の位置づけ | 高度実践・研究・教育も担う | 特定分野の実践スペシャリスト |
| 必要な学歴 | 大学院修士課程修了が必須 | 大学院修了は不要 |
| 実務経験 | 通算5年以上(うち専門分野での経験が必要) | 通算5年以上 |
| 教育課程 | 大学院(2年以上が一般的) | 認定看護師教育課程(6か月以上) |
| 試験内容 | 筆記試験+口述試験 | 筆記試験のみ |
| 合格率の目安 | 約70% | 約90% |
| 取得までの期間 | 長い(数年単位) | 比較的短い |
| 費用・負担 | 高い(学費・時間ともに大) | 専門看護師より抑えやすい |
| 更新制度 | 5年ごとに更新 | 5年ごとに更新 |
| 難易度の総合評価 | ★★★★★(高い) | ★★★☆☆(中程度) |
専門看護師は、資格取得の前提として大学院修士課程の修了が必須となります。さらに、看護師免許取得後に通算5年以上の臨床経験が必要で、そのうち一定期間は専門分野での実務経験が求められます。
試験は筆記試験と口述試験の両方があり、合格率はおおよそ70%前後とされています。教育期間が長く、学術的な知識や研究的視点も問われるため、時間的・経済的な負担は大きくなります。
一方、認定看護師は、6か月以上の認定看護師教育課程を修了することで受験が可能です。看護師としての実務経験は5年以上が条件ですが、大学院修了は必要ありません。
試験は筆記試験のみで、合格率は約90%と比較的高い傾向にあります。専門看護師に比べると、取得までの期間や負担は抑えやすい資格です。
なお、どちらの資格も5年ごとの更新制で、継続的な研修受講や実践報告が求められます。ただし、教育期間の長さや試験内容の厳しさを踏まえると、総合的な難易度は専門看護師の方が高いと言えます。
専門看護師と認定看護師になるプロセスの違い

専門看護師と認定看護師になるプロセスには、以下の違いがあります。
- 受験資格
- 出願方法
- 合格後の申請手続き・更新方法
上記の違いを理解することで、自分に合った資格取得の道が選べます。キャリアプランに合わせた選択が大切です。
受験資格
専門看護師と認定看護師の受験資格には、共通点と相違点があります。両者とも看護師免許の取得が必須条件です。専門看護師の受験資格は、以下のとおりです。
- 看護師免許取得後、実務経験5年以上
- 大学院修士課程修了
- 日本看護協会会員
実務経験5年のうち3年以上は、専門分野での経験が求められます。大学院では、専門看護師教育課程を修了する必要があります。認定看護師の受験資格は、以下のとおりです。
- 看護師免許取得後、実務経験5年以上
- 6か月以上の認定看護師教育課程修了
- 日本看護協会会員
専門看護師の場合は論文審査もあるのに対し、認定看護師は筆記試験のみです。受験資格を満たすことで、専門看護師や認定看護師を目指せます。自分の目標や興味のある分野に合わせて、適切な資格を選ぶことが大切です。
出願方法
専門看護師と認定看護師の出願方法は、資格によって異なります。専門看護師は日本看護系大学協議会に出願書類を提出し、認定看護師は日本看護協会に出願書類を提出します。
出願書類の添付書類は、看護師免許証の写しや実務経験証明書などです。
出願の際は、以下の点に注意が必要です。
- 受験料の支払い
- 出願期間の確認
- 書類一式の郵送または持参
オンラインで出願できる場合は、インターネット上で手続きができます。出願が受け付けられると、後日受験票が送付されます。
合格後の申請手続き・更新方法
専門看護師または認定看護師の合格通知を受け取ったら、必要な申請書類を提出してください。
申請書類が受理されると、認定証と認定カードが発行されます。専門看護師または認定看護師としての資格を証明する大切な書類です。
資格の有効期間は5年で、5年ごとの更新には所定の研修受講と実践報告書の提出が必要です。
資格の更新は、有効期限の6か月前から申請できるため、早めに準備しましょう。
更新の審査に合格すると、新しい認定証が発行されますが、更新できなかった場合は資格が失効するため注意が必要です。手続きや更新方法をしっかり理解し、計画的に対応することが大切です。
専門性の高い看護師として継続的にキャリアを積むために、忘れずに更新手続きを行いましょう。
下記のサイトから審査申請ができます。
認定看護師・認定看護管理者・専門看護師 審査・申請システム
専門看護師・認定看護師のキャリアの違い

専門看護師と認定看護師のキャリアの違いは、以下のとおりです。
- 給与や資格手当
- 活躍できる場所
- キャリアアップの道
専門看護師は、高度な知識と技術を持つスペシャリストとして病院全体で活躍し、管理職になることが多いです。認定看護師は特定分野のエキスパートとして、実践的なスキルを磨きます。自分に合った道を選ぶことが大切です。
» 看護師の主な役割や、病院、クリニック、訪問看護など職場ごとの業務内容を解説
給与や資格手当
専門看護師と認定看護師の資格を取得すると、給与面でメリットがあります。資格取得後は、昇給や昇進の可能性も高まります。
専門看護師の方が給与は高い傾向で、月額2〜5万円程度の資格手当が基本給に上乗せされることが多いです。
認定看護師の場合は、月額1〜3万円程度の資格手当が付くことがあります。給与や手当の額は、病院の規模や地域によって異なるため、確認が必要です。
民間病院の方が手当は高い傾向ですが、大学病院や教育機関でも待遇が良いこともあります。夜勤や時間外勤務での追加手当によって、収入アップが可能です。
専門看護師や認定看護師の資格を取得することで、経済的なメリットを得られます。
» 看護師の年収はどのくらい?年収を上げる具体的な方法も解説
活躍できる場所

専門看護師と認定看護師は、看護師の経験や専門性を生かせる医療機関や施設が多いです。以下の場所で活躍が期待されています。
- 大学病院や総合病院
- がん専門病院
- 地域医療支援病院
- 訪問看護ステーション
- 介護施設
- 保健所・保健センター
- 企業の健康管理室
- 教育機関
- 医療機器メーカー
- 製薬会社
- 医療コンサルティング会社
- 医療系NPO・NGO
災害医療支援チームや国際医療支援団体など、緊急時や海外での活動にも参加できます。
専門看護師と認定看護師の活躍の場はとても広く、自身の興味や適性に合わせてキャリアの選択が可能です。
» 看護師の種類とスキルアップできる資格の種類を解説!
キャリアアップの道
専門看護師や認定看護師の資格を取得すると、キャリアアップの可能性が広がります。高度な専門知識と技術を持つ看護師として、以下のキャリアアップが可能です。
- 管理職への昇進
- 教育・研究職
- 医療政策・看護行政
- 国際的な活動
- 専門分野のコンサルタント
- 講演やセミナー講師
- 学会や専門誌での発表・執筆活動
- 医療機器や看護用品の開発・改良への参画
専門看護師や認定看護師の資格を取得することで、キャリアの幅が広がります。自分の興味や適性に合わせて、さまざまな道の選択が可能です。
専門看護師と認定看護師のメリット・デメリットの違い

専門看護師と認定看護師には、メリットとデメリットがあります。自分の目標に合わせた選択が大切です。
専門看護師のメリット

他のメリットは、以下のとおりです。
- 医療チーム内でリーダーシップを発揮できる
- 研究活動や教育機会が増加する
- キャリアアップの選択肢が拡大する
- 給与や待遇向上の可能性がある
専門分野での政策立案に関与したり、国際的な活動の機会も増えたりします。自己実現ができることも大きな魅力です。
専門看護師になるには高度な知識と技術が求められます。資格取得は容易ではありませんが、挑戦する価値が十分にある、やりがいのある仕事です。
専門看護師のデメリット
以下の課題もあります。
- 責任が重く、ストレスが高い
- 専門分野に特化している
- 勤務時間が長くなりやすい
- 緊急時の対応が多い
常に最新の医療知識をアップデートする必要があり、学び続ける努力が欠かせません。仕事とプライベートのバランスも取りにくいです。
専門性が高いため、異動や転職の選択肢が限られる可能性があります。周囲の期待も高く、失敗したときの影響が大きくなる可能性もあります。
デメリットを理解したうえで、自分の適性や目標と照らし合わせて判断することが大切です。専門看護師になることで得られるメリットも多くあるため、総合的に判断しましょう。
認定看護師のメリット

認定看護師になると、多くのメリットを得られます。認定看護師のメリットは、以下のとおりです。
- 患者さんや家族に質の高い看護サービスの提供ができる
- 給与面の待遇改善も期待できる
- 特定分野でリーダーシップを発揮できる
- 教育・指導者としての役割が担える
- 専門知識を生かし、看護の質の向上に貢献できる
- 転職や就職の際に有利になる可能性がある
患者さんのケアの質を向上させつつ、自身のキャリアも充実させられるため、看護師としての成長を実感できます。
認定看護師のデメリット
他のデメリットは、以下のとおりです。
- 期待される役割が増える
- プレッシャーと責任が増える
- 給与が大幅に増えるわけではない
- 常に新しい知識や技術を学び続ける必要がある
- プライベートの時間が減る可能性がある
- 資格の更新にも費用が必要である
- 資格を生かせる職場が限られる
- 管理職への昇進が遅れる場合がある
- 専門分野以外の知識や経験が不足する可能性がある
認定看護師の資格取得は簡単ではありませんが、専門性を高め、患者さんのケアの質を向上させる重要な役割を担っています。
専門看護師と認定看護師に向いている人の違い

専門看護師と認定看護師には、それぞれに向いている人の特徴が異なります。共通の目標は、看護の質を高め、より良いケアを提供することです。
自分の適性や目標に合わせて、選択することが大切です。
» 自分を深く知るための自己分析の具体的なやり方
専門看護師に向いている人
問題解決能力が高く、継続的な学習意欲のある人が適任です。多職種連携を得意とし、広い視野で医療を捉えられる人も向いています。
研究や教育に関心があり、倫理的判断力を持つことも重要です。専門看護師は、高度な知識と技術を生かして患者さんのケアだけでなく、スタッフの指導や相談にも対応します。
多くの能力を持ち、常に向上心を持って看護に取り組める人は、専門看護師として活躍できます。
認定看護師に向いている人
患者さんや家族への直接的なケアをしたい看護師は適任です。以下の特徴を持つ人も、認定看護師に向いています。
- 実践的な看護技術の習得に意欲がある
- 患者さんのQOL向上への熱意がある
- チームワークを重視できる
- 継続的な学習意欲がある
現場での問題解決能力が高く、リーダーシップを発揮したい看護師に適した資格です。細かな観察力と的確な判断力を持つ人も向いています。
認定看護師は、特定の分野で高度な看護実践能力を持つスペシャリストです。自己研さんに意欲があり、専門知識を生かして患者さんのケアに貢献したい看護師に向いています。
まとめ

専門看護師と認定看護師は、どちらも看護師としての専門性を高め、キャリアアップを目指せる魅力的な資格です。
にこただし、求められる役割や取得までの道のり、働き方には明確な違いがあります。
より広い視点で看護の質向上や教育・調整・研究に関わりたい人には専門看護師が向いており、特定分野で現場の実践力を高め、患者さんに近い立場で活躍したい人には認定看護師が適しています。
大切なのは、「どちらがすごいか」ではなく、自分がどんな看護師として働き続けたいかを基準に選ぶことです。
今回の記事を参考に、自身の経験や将来像と照らし合わせながら、後悔のないキャリアアップの一歩を踏み出してください。