認定看護師を目指したいが、どうすれば良いのかわからない人は多いです。認定看護師を目指す際は、必要な資格や手続き、費用などの理解が大切です。当記事では、認定看護師の基礎知識から資格取得の流れ、費用、支援制度について解説します。認定看護師を目指す際の参考にしてください。
認定看護師の基礎知識

認定看護師とは、特定の領域で高度な看護技術と知識を提供する看護師です。以下では、認定看護師の特徴や専門看護師との違いを解説します。
認定看護師の分類と特徴
認定看護師は、特定分野の専門的な知識と技術をもち、特定の患者や病状に対応するケアを提供します。感染管理では、病院内や地域での感染予防と管理が担当です。感染症の拡大を防ぐためのガイドライン策定やスタッフや患者への教育などを担う、医療現場に欠かせない存在です。
認定看護師は以下の治療のケアと看護を行います。
- がん化学療法看護
- 糖尿病看護
- 緩和ケア
- 新生児集中ケア
- 脳卒中ケア
- 進行・慢性疾患看護
- 精神科看護
専門看護師との違い

認定看護師と専門看護師にはいくつかの違いがあります。
- 認定看護師
- 特定の看護分野に特化した実践的な能力をもつ看護師です。特定の専門分野に特化しており、専門分野での高度な実践の能力が重視されます。緩和ケアや感染管理など、特定の分野において実践の発揮が必要です。認定看護師の資格は比較的短期間の研修で取得できます。実践を重視したキャリアアップを考える人におすすめです。
- 専門看護師
- より広い看護分野で高い専門性を発揮し、多岐にわたる役割を担う看護師です。包括的な視点の患者ケアが求められます。ケアマネジメントや教育、研究や相談、調整など、多岐にわたる役割を担い、より広い看護分野で高い専門性を発揮します。専門看護師になるためには、修士課程の修了が必要です。教育や研究などに興味がある人には、専門看護師の道をおすすめします。
認定看護師は特定の病状やケア方法に精通し、患者に直接的なケアを提供する役割を担います。逆に、専門看護師は患者だけでなく、他の看護師やスタッフへの教育や相談に力を入れる業務が多いです。病院全体のケアの質を向上させる役割を果たします。自分のキャリア目標や興味に応じて、どちらの道を選ぶか決めましょう。
認定看護師になるには?基本の条件

認定看護師になるためには、いくつかの基本的な条件があります。条件や流れを理解し、認定看護師を目指しましょう。
資格要件と実務経験
認定看護師として活動するためには、いくつかの資格要件と実務経験が求められます。
- 看護師として5年以上の実務経験が必要
- 指定された実務経験の分野で3年以上の経験が前提
- 約6ヶ月間のプログラムによる認定看護師教育課程を修了
- 日本看護協会の認定審査での合格
認定審査に合格すると、正式に認定看護師としての資格を得られます。資格を維持するためには継続的な教育や研修への参加が必要です。要件をクリアすれば、認定看護師としての仕事に従事できます。
認定看護師の学校への入学

認定看護師の学校への入学には、看護師免許取得と5年以上の実務経験の条件があります。入学するには、条件を満たしたうえで選考試験に合格しなければなりません。試験には書類審査や面接が含まれるケースが多いです。学校選びも重要です。
全国に約40校ある認定看護師教育機関から、自分の専門分野に応じた適切な教育機関を選ぶ必要があります。教育課程は6か月間(600時間)以上で、集中して学ぶ環境が提供されます。学費や生活費も必要で、勤務先との調整などの事前準備も必要です。
資格取得に必要なカリキュラム
資格取得に必要なカリキュラムには、理論学習や臨床実習、事例研究の作成などの内容が含まれます。カリキュラムにより総合的な知識と技術が身に付きます。専門領域に関する理論学習が重要です。感染管理やがん化学療法看護など、専門分野が学べます。現場での実地研修である臨床実習もあります。
高度な実践の習得や他の医療専門職との連携トレーニングも欠かせません。倫理および法的側面の教育があり、医療従事者としての基本的な姿勢が身に付きます。リーダーシップやマネジメントスキルの学習も組み込まれています。試験対策講座や模擬試験も実施されており、資格取得に向けた準備が可能です。
認定看護師になるには?基本の流れ

認定看護師になるためには、基本的な流れの理解が大切です。下記のステップを踏むと、スムーズに認定看護師を目指せます。手続きや要件は変更される場合があります。最新情報の確認を心がけましょう。
- 受験資格を確認する
- 認定看護師の学校を選ぶ
- 認定看護師の教育課程を履修する
- 認定審査を受ける
- 認定証の交付を受ける
受験資格を確認する
認定看護師になるためには、受験資格を満たしているか確認してください。条件を満たしていれば、認定看護師の資格試験を受けられます。認定看護師の受験資格には以下の条件が含まれます。
- 日本国内の看護師免許を有していること
- 看護師として5年以上の実務経験があること
- 3年以上は専門分野での実務経験があること
- 認定看護師教育機関の入学試験に合格していること
- 認定看護師教育課程を修了していること
認定看護師の学校を選ぶ

認定看護師教育機関の認定を受けた学校の選択が必須です。適切な学校選びで質の高い教育を受けられます。学校が提供するカリキュラムが自分の目指す分野やキャリアに特化しているかの確認が必要です。認定看護師の学校を検討する際には、以下のポイントを確認しましょう。
- 学校の実績や卒業生の合格率
- 学費や他の費用
- 通学が可能な場所や通学手段
- 学校の設備や実習環境
- 教員の経歴や専門性
- スケジュールやカリキュラムの柔軟性
- 学生サポートや相談窓口の充実度
- 学校の評判や口コミ
認定看護師の教育課程を履修する
認定看護師の教育課程を履修するには、日本看護協会が定めた教育機関でカリキュラムを修了する必要があります。教育課程は約6か月間にわたり、理論と実習を合わせて615時間以上のプログラムを履修します。理論学習は約315時間、実習は約300時間です。教育課程では技術や専門知識を習得します。
理論学習では、看護の理論や方法論について学びます。実習には臨床実務と現場実習があり、実際の看護現場における経験の蓄積が可能です。教育課程を修了すると修了証が発行されます。修了証は、日本看護協会の認定審査を受けるために必要な書類の一つです。
認定審査に合格すれば、晴れて認定看護師としての資格を得られます。
認定審査を受ける

認定審査を受ける際に準備すべき書類は多岐にわたります。資格証明書や実務経験を証明する書類の提出が必要です。必要な書類をそろえて提出すれば、審査手続きがスムーズに進みます。計画的に準備を整え、認定審査通過を目指しましょう。認定審査を受ける手順は以下のとおりです。
- 認定審査の申請書類を準備する
- 提出期限を確認し、厳守する
- 審査に必要な書類を提出する
- 書類審査を受ける
- 筆記試験を受ける
- 実技試験(必要な場合)を受ける
- 面接審査を受ける
認定証の交付を受ける
認定審査に合格すると、日本看護協会から認定証が交付されます。認定証の取得には正式な申請手続きが必要です。交付申請書と必要書類をそろえて提出します。認定証は指定された日時に交付されるため、スケジュールを確認しましょう。認定証の有効期限は5年間です。更新には再度審査が必要です。
期限が近づいたら更新手続きをしてください。詳細は日本看護協会の公式サイトで確認できます。手続きや要件を守り、認定看護師の資格を取得しましょう。
認定看護師になる費用と支援制度

認定看護師になるためには多くの費用がかかります。費用負担を軽減するための、支援制度を活用しましょう。以下の項目を解説します。
- 資格取得にかかる一般的な費用
- 奨学金制度の利用方法
- 取得支援制度の活用方法
資格取得にかかる一般的な費用
認定看護師になるためには、教育機関に通うための学費が発生します。資格取得のために必須の費用であり、事前の計画が大切です。資格取得後に、継続的に発生する費用の把握も重要です。資格取得にかかる費用は一時的な出費ではなく、長期的な投資と捉えましょう。認定看護師にかかる費用は以下のとおりです。
- 学費:平均50〜100万円
- 認定審査費用:10万円前後
- 教材費:数万円
- 移動交通費:教育機関への通学費用
- 生活費:教育期間中の生活費
- 維持費:資格更新のための再研修や講座費用
奨学金制度の利用方法

奨学金制度を利用するには、自分に適した奨学金プログラムのリサーチが欠かせません。自身の状況に合った利用しやすい奨学金を選びましょう。奨学金の審査においては、成績証明書や推薦状などの書類が必要です。必要な書類がそろっていないと申請が受理されないため、早めに準備を整えましょう。
奨学金の申請書を記入したら、提出期限を厳守して提出してください。提出期限を過ぎれば、審査対象外となります。面接や追加の書類提出を求められるケースもあるため、早めに手続きしておくと安心です。奨学金の結果通知を受け取った場合は、利用規約の厳守が重要です。
奨学金には報告義務や活動報告が伴う場合が多いため、定期的な報告を怠らないようにしてください。返済が必要な奨学金を利用する場合は、しっかりと返済計画を立てましょう。
取得支援制度の活用方法
取得支援制度を活用するためには、提供される支援制度の調査が重要です。職場の人事部や教育担当者に問い合わせて、利用可能な支援制度について確認しましょう。看護協会や専門団体が提供する支援制度も見逃せません。申請条件や手続きを確認してください。条件に合致しているかを確認し、必要な書類を準備します。
申請期限にも注意してください。支援対象となる費用や補助金の範囲を事前に確認しておけば、どのようなサポートを受けられるか理解するために役立ちます。申請後は進捗状況を定期的に確認しましょう。追加の手続きが必要な場合に備えておくと、早めの対応でスムーズに支援を受けられます。
支援制度を活用した場合の返済義務や条件も重要なポイントです。事前に理解しておけば、余計なトラブルを避けられます。
認定看護師になる上で注意すべきこと

認定看護師を目指す際は、以下の注意点を押さえましょう。
- 資格取得までに時間と努力が必要
- 分野による難易度の相違
- 更新手続きが必要
資格取得には時間と努力が必要です。計画的に取り組むと、認定看護師としてのキャリアをスムーズに築けます。
資格取得までに時間と努力が必要
認定看護師資格を取得するためには、約6か月の専門教育を受ける必要があります。講義を受けるだけでなく、実習や事例研究などの多岐にわたるプログラム習得が必要です。教育課程を履修するためには5年以上の実務経験が必要で、看護師としての十分な経験が求められます。
学校に通学しながら教育課程を受ける必要があります。仕事との両立は困難であり、時間の確保が必要です。試験に合格するための勉強や準備も欠かせません。認定審査に合格するためには、高い専門知識と技術が求められます。学費や教材費が必要であり、経済的な負担も考慮すべきです。
分野による難易度の相違

認定看護師の資格取得の難易度は、選択した分野によって異なります。専門分野ごとに必要な知識や技術が異なるからです。分野ごとに試験内容が異なるため、自身のスキルや知識をどの分野で発揮すべきかの見極めが重要です。事前にしっかりと準備し、自分の強みを活かせる分野を選択しましょう。
認定看護師の資格取得には以下の分野があります。
- がん看護
- 救急看護
- 在宅看護
- 老人看護
- 感染管理
更新手続きが必要
認定看護師の資格を維持するには、5年ごとの更新手続きが必要です。更新手続きでは書類を提出して審査を受ける必要があります。更新申請の期日までに、しっかりと準備を整えて手続きを完了させましょう。更新審査に合格できなければ、新しい認定証は交付されません。資格を維持するためには、確実な手続きが重要です。
認定看護師の資格更新には、以下の書類と費用が必要です。
- 実務経験証明書
- 継続教育履修証明
- 更新審査料
まとめ

認定看護師になるためには、専門的な知識と技術習得が求められます。実務経験を積み、認定看護師の学校でカリキュラムを修了し、認定審査に合格する必要があります。費用がかかるため、奨学金や支援制度の利用がおすすめです。
資格取得には時間と努力が必要ですが、高度な看護ケアの提供が可能となり、キャリアアップが可能です。
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